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【活動報告】第4回ろう者サッカー世界選手権大会・マレーシア2023帯同報告

順天堂大学大学院前期課程2年の安澤佳樹(あんざわ よしき)と申します。今回、アスレティックトレーナーの立場として、ろう者サッカー世界選手権大会でサポートした内容を報告します。ろう者サッカー世界選手権大会は、聴覚障がいのある人たちによるサッカーの世界大会で、今回7年ぶりに開催されました。今大会、日本代表は史上初の準優勝を達成し、日本ろう者サッカー界の歴史に残る大会のひとつとなりました。

【大会前】コロナ後初の海外遠征であり、様々な準備や対策を実施しました。例えば、亜熱帯気候であるマレーシアでは、デング熱や熱中症などのリスクもあり、選手たちに渡航前より情報共有を行いました。また、本学スポーツ医学研究室のスポーツファーマシストへ相談しながら、国際大会におけるドーピングコントロールに関して周知しました。

【大会期間中】中1日で試合という過酷なスケジュールに対し、出来る限り早く選手の疲労を取り除き、怪我や病気を出さないという事に注力しておりました。また、怪我をした際のできるだけ早い競技復帰への環境づくりも考慮しました。

【スポーツ外傷・障害予防】セッションRPE(主観的運動強度)をACWR(Acute Chronic Workload Ratio)という負荷を定量化する方法で管理しておりました。選手個々の負荷量の監督、コーチへの共有や、選手自身の体調管理の意識向上など、スポーツ外傷・障害予防に関して一定の効果はあったと感じています。

【印象に残ったこと】国際大会では、激しいプレーや、ラフプレーも国内大会以上に目立ちました。自陣のベンチから反対サイドへ怪我人の対応で走り、そこでの対応が終わるとすぐに対角線上で発生した怪我人の対応で走ったりしました。このようにアスレティックトレーナーもとっさに全力で何本も走れるような体力を持ち合わせる必要があると感じました。

試合中のアスレティックトレーナーの動き(例)

2025年は、東京で聴覚障がい者のオリンピックである「デフリンピック」が開催されます。サッカー競技は、福島県のJ-villageで行われる予定です。そこでは今大会で出来なかった世界一を達成できるよう、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。引き続きデフサッカーの応援よろしくお願いいたします!

文章:スポーツ健康科学研究科博士前期課程2年 安澤佳樹

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